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(注2)卵巣腫瘍(がん)検診

 「卵巣がんは沈黙のがん(Silent Cancer)」といわれ、典型的な自覚症状がないため、お腹がはるとかウエストが大きくなったとかが気になり、まずは内科を受診する人が多く、その後、婦人科を受診して診断がついた時には、すでに進行していることが多いのです。
卵巣は子宮の左右にあり、月経がある年代では長径3-4cmくらい、閉経後は徐々に委縮して1-2cmくらいになります。子宮と細い靱帯でつながっていますが可動性があり、お腹の中に浮いているような状態なのでかなり大きくならないと圧迫症状もありません。

国立がんセンターの2019年の統計によると、日本では毎年約1万3500人が卵巣がんと診断され、5000人が死亡しており、年々増加傾向にあります。卵巣がんの好発年齢は45-65歳ですが若い方に多い種類の卵巣がんもあります。
卵巣がんの多くは「漿液性腺がん」という組織型で急速に進行し、大量の腹水がたまり「がん性腹膜炎」を生じます。

卵巣がんの検診・早期発見に関しては子宮頸がん検診のような公的なシステムは確立していません。下図の卵管や卵巣が腫れた場合、総括して附属器腫瘤と呼びます。そのうち卵巣の腫れには卵巣嚢腫(良性)、良性卵巣腫瘍、悪性卵巣腫瘍(卵巣がんなど)があります。
卵巣がん検診では早期の卵巣がんを発見するのはもちろんですが、頻度の多い卵巣嚢腫や良性卵巣腫瘍を発見し、その後の定期的検査を指導することにより、結果的に卵巣がんを防ぐことができます。

子宮体がん(子宮内膜がん)検診

★市や区などの公的な子宮頸がん検診や会社の職域検診には通常、経腟エコーや血中腫瘍マーカーの検査は含まれていません。市検診・職域検診などで診断できるのは子宮頚がんのみで、子宮体がん(子宮内膜がん)・卵巣がんの検査は含まれていません。

当院での卵巣がん検診について

 当院の婦人科腫瘍専門医・がん治療認定医が経腟超音波検査を実施しながら、患者さんに実際の超音波画面を見ていただき、附属器腫瘤の有無やその性状を詳しく説明いたします。
また経腟エコーと同時に腫瘍マーカー(がんが産生し血中に放出される物質)のCA125を測定して総合的に判断いたします。
卵巣がんに限らず診断結果で手術などの治療が必要時には、当院でのデータを添えて、患者さんの通院しやすい基幹病院に詳細な紹介状をご用意いたします。

検査日 :毎週水曜日午前・午後、木曜日午前
(人間ドッグ・健康診断部門で予約受付け中、市検診、職場検診などと一緒に検査可能です。婦人科腫瘍専門医・がん治療認定医が担当致します。)

検査内容:腫瘍マーカーCA125(採血)・経膣エコー

費用  :¥5,500

(以下は検診以後の一般保険診療となります。)
*付属器腫瘤が認められた場合には専門医の判断により、定期的な超音波検査の計画をたて、また必要時には骨盤MRI検査を実施します。また腫瘍マーカーとしてCA125に加えて、当院の婦人科腫瘍専門医の木村英三医師が臨床応用にかかわったHE4を測定して、二つの腫瘍マーカーの値を解析した卵巣癌推定値(ROMA値)にて総合的に判断いたします。